スマートフォンアプリ開発とWebアクセシビリティ

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今日「Movable Type for iOS」が発表されたので試してみました。試してみてまず思ったのが、「スマートフォンアプリを開発する方々にもWebコンテンツのアクセシビリティについて知ってもらう必要があるのでは」ということです。たまたま操作したアプリが最終的にWebコンテンツとして出力するものを作成するアプリであったから、ということもあるかもしれません。

※スマートフォンアプリ開発においてもきっとアクセシビリティ確保の話があるのでは、という気もしますが、僕がアプリ開発を今のところ行っていないのでアプリ関連の知識がないことをお断りしておきます。

なぜそのように考えたかというと、ブログ記事の新規作成時、スマートフォンに保存されている画像を利用してみたのですが、画像の代替テキストを付与するインターフェースがありませんでした。その結果、次のようなHTMLが生成されました。

<p>テストです。画像を挿入してみます。</p>
<img alt="mt-20150728183138.jpg" src="http://mt.cms.anothersky.pw/images/mt-20150728183138.jpg" class="mt-image-none" style="" height="427" width="640">

Movable Type for iOSで新規作成した記事を編集する画面。先に示したHTMLが表示されています。

残念なことにalt="mt-20150728183138.jpg"、Movable Type上で自動生成されたと思われるファイル名が代替テキストとして設定されています。つい先日発売された「デザイニングWebアクセシビリティ」の9-4項にも書かれている「代替テキストの実装が不適切」に当てはまると思われます。「代替テキストがどうしても指定できないケース」の説明にも当てはまりそうな感じもしますが、画像の代替テキストを付与するインタフェースを作る事は不可能ではないと思われるので、ちょっと違うかなと考えます。画像を自動認識して妥当な代替テキストが付与できれば良いですが、今のところそれは難しそうですし、仮に実現できたとしても本当に妥当な代替テキストが設定されるか都度確認できるようにする必要があるかな、と考えました。

Movable TypeのData APIを確認したところ、画像のアップロード時に画像に名前等を付けることが不可能だったのですが、画像の情報を編集するエンドポイントで名前や説明を付けることができました。それらを利用して代替テキストを設定すれば良さそうです。

また今回のアプリだと、アプリ作成を依頼した方がアプリによって生成されたHTMLを確認し、代替テキストについて指摘できた可能性もありますね。

そのようなわけで、Webサイト制作に関わる人全てにアクセシビリティを知ってもらわなければ、と改めて考えました。広島の勉強会でアクセシビリティについて話そうと考えているので、今回の体験を活かしたいと思います。

最後に「Movable Type for iOS」を試してみて「良かった点」を挙げておくと、記事の新規投稿時にブロック型エディタで編集できる点です。テキストを見出しに設定することができたり、画像のアップロードが簡単できたりして良いなと思いました。また、カスタムフィールドも編集できるようになっているのもグッドですね。(テキストフィールド・画像を試しました。)