書籍「Webアプリケーションアクセシビリティ」を読了

公開

出版から1年が過ぎてしまいましたが、書籍「Webアプリケーションアクセシビリティ ――今日から始める現場からの改善」を読了しました。昨年はなぜか長文の書籍が読めなかったのですが(文字を追ってもうまく頭に入らない感じ)、改めてiPad Airを開いて読んでみるとスラスラと読むことができました。Epub形式でマーカーを引き、その部分を後からサッと見返すことができたのが便利ですね。

Nameプロパティについて

以前からWebアクセシビリティに関する学習を続けているので実装に関する技術は色々知っているつもりですが(もちろん完璧とは思っていません)、第2章からの様々な事例と改善策を読むことで細かい気付きや情報のアップデートができました。中でも印象に残っているのは、4.4 ライティングの事例6で通常のテキストのNameプロパティを上書きすることは問題を引き起こします。特に不利益を被るのは「音声コントロール」を利用するユーザーです。(今Macのブックアプリで見ているので165ページとあるのですが、書籍だと何ページだろう…?)のところです。

<button aria-label="サイト内サーチ">検索</button>

この例の場合、音声コントロールを使用されているユーザーさんが「検索をクリック」と発声してもクリックできないとのことです。表示と異なる情報を付けることに抵抗がありますし、ボタンにテキストがあるので僕は実装したことがないはず…と思いたいところ。アクセシビリティ対応では何かとスクリーンリーダーの話が出てきますが、第1章に書かれている通り多様なデバイス・多様な状況があるので、誰もがアクセスできるように慎重に実装方法を検討しなければと考えました。また、DOMとCSSオブジェクトモデルの情報を組み合わせて生成されるアクセシビリティオブジェクトモデルの深い理解も必要ですね。(業務中に「アクセシビリティツリーが…」とよく言っている気がします。)

協力して取り組むことが重要

第6章で「エンジニアだけ」「デザイナーだけ」のように、単一の職種だけでアクセシビリティ向上を推進していくのは難しいとお気付きでしょう。アクセシビリティはさまざまな職種・役割の協力があって向上していくものです。(Macのブックアプリで見ると289ページ)とあるのはWeb制作に関わるみなさんに知ってほしいところです。エンジニアだけでやろうとしても上手くいかないんだ…と苦しく感じるシーンがやはりあるので、様々な職種のみなさんにアクセシビリティのことを知っていただいた上でお力を借りることができれば良いなと考えています。

なぜアクセシビリティに取り組むのかを言語化する

これは2015年の12月に『僕はなぜ「Webアクセシビリティ」に取り組むのか』を書いていました。コロナ禍もあったし自分の性格上全く活動できていないなと恥ずかしくなるのですが、ひとまずそのままにしておきます。「HTMLできちんとマークアップすることがとても大事」というのは今も昔も変わりません。

来月には広島で開催される『第116回「WEB TOUCH MEETING」アクセシビリティSP』に参加します。視覚障害ではない当事者の方からお話を伺えるようですので、新たな視点を得るきっかけになればと思っています。